しべりこぶた

おしゃべりこぶたのしべの日記

生き恥を晒すぜ

時効ですかね、ちょっと好きだった男と付き合ってたんですけど、先月付けで別れたので(その間一ヶ月!!)、その間書きためたオレのポエムを晒します。なぜならエヴァーノートから消したいからです。一個一個振り返っていきましょう。

 

1.5月14日

4/29日からかねてよりの男性と付き合っています。といってもまだ出会って一ヶ月も経っていないのでスピード付き合いと言えるかもしれないですが。でも別に期間なんてどうでもいいのだ。食べたいものは食べたいと思ったときに食べるのが一番美味しいように。旬なんていつでも逃すんですよ。
私はもうめちゃめちゃクールに生きているけど、内心HOほら行こうぜ最高級で愛そうぜピースピースとドンヒャララしています。愛しい人が優しいし正直だしわかってくれるしとなるんです、私だって石川梨華なんです(?)。
でも自分のこともがんばらないといけないし、将来はワンちゃんとインコを飼ってのんびり暮らしたいし、そこに彼がいたらなおさら良いかもしれないし、がんばります。でも私は3人どころか1人も子どもを産みたくありません、どうしよう。よいお母さんビンゴとか、やりたくありませんので…。

 

(講評)やっちゃってますね〜かなりやっちゃってますね、これは付き合ってから2週間くらいなんですが、もう結構のぼせていますね。ここから2週間で別れるというのにね…。いややっちゃってますね。まず4/29日という表記がもうなんなのか、ダサさに気づいて欲しいですね。夢中になっているときに昔のモー娘。を聴く癖は留学時代より治っておりませんが、これを機にもうやめたほうがいいのでは?でも石川梨華ちゃんかわいいんだもんな…。

旬なんていつでも逃すんですよ、この一文だけ結構自分的には評価できるかな。パンチラインと言えるかな。でもいずれにせよのぼせているので、しっとり常温の文章を書くようにしているわたしとしてはアツツ…にしてイテテ…です。

ちなみに文体ロゴーンは宮沢賢治

 

2.5月26日

あんまり連続してライン来ると萎えるのでやめてほしい、というそれだけの一文にひどく、おぞましいくらいのショックを受けていて、なんだか悲しすぎて何も考えられない。コミュニケーションを拒絶されたように感じてしまって、私の言葉がいらなかったものだった気がして、つまり私がいらないもののような気がする。
多分考えすぎで、これがものすごくシリアスな問題であると思っている私が明らかにおかしいのだけど、そのくらい傷ついたのである。
早く会いたいし声を聞きたいけど、この件について話すべきか否か、まず明日会えるのか。会いたくないなんて思われていたらどうしよう。でもこんなことを伝えたらますます「萎える」であろうから、言えない、言いたくない。
やはり男性と女性が違うからなのだろうか、それともわたしがめちゃめちゃにおかしいのか。
わたしは本来かなり愉快で明るい人間だ。自己評価も周りからみた姿もだいたい一致していると思う。だけど近しい人とのコミュニケーションにつまづいた時は、らんらんに咲いた花が一気に枯れてしまうような勢いで落ち込んでしまう。つまづきに慣れていないので、うまい転び方と立ち上がり方が分からないのだ。
でも分からないなりに前を向きたいし、分からないなりに分かり合いたいと思う。あちらが同じ気持ちであれば。ゆるやかに進んでいけると思える気持ちがあるならば。
 
やっぱり書くとスッキリする。言葉はいつでも頼りないわたしを整頓してくれる快い友達。
 
 
(講評)えっもう!もう別れる間際ですね!ていうか、こういうコミュニケーションの密度や頻度の問題って自分の根底の性格と関わるものなのだから、こういうものが出た時点で合わないんですよね、相手と。しかしながら、それでもしおらしいことこのうえないわたしはまだまだ相手をビンビン信じてますよね。「つまづきに慣れていないので」という文言は結構いいな。今後も使っていきたいと思います。暗くなってくると文章の温度が下がりますね。自分らしくなってきましたよ、という感じです。もう少しだぞわたし、がんばれ。
これも文体ロゴーンは宮沢賢治
 
3. 5月27日
 
タイトル:なるようにしかならないさ
 
世の中は偶然の皮を羽織った必然でできているのではないか、と思う。
わたしに降りかかるあらゆることが、神様のお決めになったことであればどんなにいいか。肯定も否定も一本線が引かれてとても明快になる。
 
 
(講評)突然のポエム。この日件の男と会っているんですが、用事があるとかで夕方に解散したんですよね(その時点で相手の気持ちが冷めていることを悟ってくれよなわたしは)、そしてなんとなく一人でスペインバルに行きワインをしばきながら書いたポエムといったところでしょうか?
この、偶然、必然問題は深いものがありますね。柴田聡子の「後悔」って曲があって、ああ抱きしめていれば、抱きしめ合ってれば、という歌詞があるけど、それもね、偶然的に発生しなかったことをね、必然的に後悔しているとかいうかね、そういった響きがあるのですが。そのような心持ちで書いているんじゃないのかな。
わたし的にはまだまだ頑張るつもりでしたが、文章には別れがにおってるよね、今見るとね。こういうのも後から見ると、終わりはいつ始まっていたかが分かるので、ポエムは結構分析に役立つ、ということですね。だんだん暗くなってきてわたしらしくなってまいりましたよ。
これは文体ロゴーンは井上ひさし。ポエムになるとちょっと違うんですかね。
 
4.5月29日
 
返信が1日ないとモヤモヤする。そういった気持ちと昔からずっと付き合ってきたのだが、そろそろ本当に気にしなくなりたい。でも、これは友達、恋人問わず、好きな人とのコミュニケーションの初期段階においてずっと経験してきたものである。おそらく時が経てばそういうことを気にしなくなるし、そういった「頻度」によって「距離」を測ろう、という気持ちも少なくなっていくと思う。荒波のように襲ってきた気持ちはいつか、寝ている時の呼吸のような、静かな小波になっていく。問題はそういった段階までどう耐え、どう相手に伝えていくかということだ。
元来わたしは不安になりやすい性格だ。とにもかくにも、なにか証拠がないと安心できやしない。100万の言質があったって、ほんの慰めにしかならない。
でもそんなことを、コミュニケーション初期の相手にはとてもでないけど言えない。こういう自分の、面倒くさすぎる、しかし核に迫るような精神性というのは、きっと二人の関係が広く穏やかな海になった頃に、その水面に雨を降らすよう、ぽつりぽつりと告白していけばいいのだ。
わたしは、さっぱりと可愛くなりたい。
まあ、考えてみればこちらからの連絡がいらないのであればあっちからも用事がない限り連絡しなくていいって思っているってことなんだろうからそんな気にしないでおこう。気にしなくてもいいことを気にすると人生のくぼみに膿が溜まって、誰かに迷惑だから。
 
(講評)これはもう完全に、鬱状態にビンビン調子いい時のわたしですね。これはもう感情移入できます。わたしです。ちょっと暗すぎるけど…。これを書いているとき、わたしは非常に不安でありながらどうにか踏ん張って希望を見出そうと一生懸命なのだが、今読んでみると暗雲しかたちこめていないじゃないか。気にしなくてもいいことを気にするのをやめよう、という時点で気にしているのです。
でもこれは結構いい自己分析ですね。熱っぽくなりやすい自分の欠点を細かに書いているという点では、自分白書に取り込んでもいいかもしれないです。
さてわたし、二人の関係が広く穏やかな海となる前に、別れることとなります…結構かわいそう…。
これも文体ロゴーンは宮沢賢治
 
5. 5月29日
 
タイトル:そんなことを言っている間に
 
女性として見られないので友達に戻りたいとの連絡。無理です。
無理です!!!!無理に決まってる、いや、ばかなのかなあ。私が男性として見ているのにこちらは友達とかいうボケたフレームで見ていると、そんな辛い逢瀬があるのか。
不満が死ぬほどある。なぜ、長期的な関係を見据えたいみたいなニュアンスを醸し出しておきながら、そういうことが言えるのか。早まりすぎだ。私がつられて、早まってしまったじゃないか。ばかみたいだ。
どうせ新規開拓営業みたいなものだったのだろう。面白そうな「案件」だったんだろう。ばかみたいだ!
こういうときに、自分の気持ちがある程度言語化できる、という冷静さは好きだ。私は気持ちの切り替えがてんでできないけど、できるタイプなのだ。
今回は、まだ期間が短かったこともあり、多分そこまで長引きはしないと思う。時間というのは残酷なまでに、記憶を過去へ追いやり、いつしか風化、運が良ければ美化させてしまう。今回は後者、という運びにはならなさそうだ。
さすがに、傷ついてほしい。私のことを、一人の女性を、人間を、心を、心に住む子どもを、びっくりするくらい苦しめ、泣かせ、震えさせたことを後悔してほしい。一生私以上に面白い女になんて出会わないでほしい。私以上に可愛い女にも絶対に出会わないでほしい、一生後悔していてほしい、今日という日を、私を傷つけたことを、自分自身の選択を、ほんとうに死ぬまで、心に留め、悔やんでほしい。
でもそんなこと絶対無理で、いつか私より面白くて可愛くて素敵な女性が彼の前に現れて、手を取り合いながらかけていく、そういった場面は私は死んでも見たくない。
あーあ、疲れた。心が冷たい。私の心の温度がマイナス100度くらい下がった。どうにか温めようと頑張っていたのに、これでは孵るものも孵らない。
例によって恋愛に向いていない私は、これでまたふりだしに戻ってしまった。私は心に、純真無垢なベイビーを飼っている。また首の座ることろからやり直し。
私そんな可愛くないかなあ〜。何がだめなのか、本気でもう、男性に私が向いてないとしか思えない。私を好きな男性なんてこの世に現れるのか?というより、私のことが好きだったとしても、私が相手を好きになったとしたら相手の気持ちが離れていく、という図式から、脱却可能なのか?という絶望的な問い。
 
 
(講評)いいですね〜他人の文章だったらこんな面白いものはないぞというくらい面白いですね。こんな事細かにふられた理由まで書かずとも…なぜ自分で自分の傷をえぐるのか?もうこのときわたしは思い出旅行というか、自我捜索の旅に出かけているので、やみくもに突っ走ってこんな文章を書いているのでしょう。
でもこの文章には今までにない「怒り」が現れておりますので、もう元気になりかけている、と言えないこともないでしょう。それにしても、今みても男のほうがなくない??ちょっとありえないんだけど…。
ということはさておき、でも結構この文章は面白いですよ。相手が営業職だったことにからめたエスプリと、わたしらしい罵倒とがミックスされた、非常にわたしイズムを感じる、わたしにとって読みやすく、万人にとって読みづらい文章です。自我の暴走により生み出された文章は、本当に気持ち悪いくらいオリジナルですよね。人間は絶対に同質化できないな、とわたしが思うゆえんです。

文体ロゴーンは阿刀田高。初めての人きたな、やっぱり怒りに任せた人の文章は文体が変わるのですよ。

 

 

ちなみにこの後、いにしえの元彼はわたしをラインブロックしました。やった、勝ったね!こういうのは労力を割かせたもの勝ちなので…いやしかし腹たつな、仕事ちょっとだけ失敗してほしいな。

わたしはわたしで、この日友人の助けを借りて、かぶら屋でミッフィーちゃんのタオルを片手に泣いて、そのあとスペインバルでワインをしこたま飲み、元気になったのでした。友達最高!

というわけでわたしの生き恥でした。なんとここから別れて10日もしないうちに新しいあれやこれがスタートしちゃっており、また毎日ポエムしたため野郎になっているのですが、この生き恥もいつか晒すときが…こないといいなぁ、今度こそ大丈夫じゃないかな(毎回言ってる)!

そんなことより勉強してくれよな私